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活動レポート
 「靖国」と歴史認識
 
   小泉首相の靖国参拝

 今日の「靖国問題」の原因は、いうまでもなく、小泉首相が2001年の自民党総裁選で「8月15日の終戦記念日に靖国神社を参拝する」と公約し、終戦記念日こそ避けたものの、モーニング姿や紋付き袴といった正装での参拝を繰り返したことです。そうした靖国参拝は「公務」であり、「違憲」とした大阪高裁の判決が出た後の05年10月17日の参拝では、平服で昇殿しない形式に切り替え、軌道修正しました。正装での参拝は、日本国民を代表した形での「公式」の参拝であると受け止められるのは明らかです。「一貫性」が自慢の小泉首相ですが、途中で軌道修正するぐらいなら、最初から平服で、「私的」に参拝すればよかったのです。そうだったとすれば、これほど大きな問題になっていなかったかもしれません。
 もっとも、小泉首相はその後、「中国側の言い分に従いなさいという人が、『靖国参拝してはいけない』という人たちでしょう。果たしてそれでいいのか」と、ナショナリズムを煽るような発言を繰り返しました。一国の総理大臣として言うべきではない発言だと言わざるを得ません。
 そして、首相在任中最後となるであろう今年は、こうした内外の懸念をよそに、8月15日の終戦記念日の参拝に踏み切りました。再び正装での参拝でした。「有終の美」を飾り、首相本人はさぞかしすっきりしたことでしょう。しかし、アジア諸国との関係をはじめ、次の首相に大きな課題を背負わせたと言わざるを得ません。
 小泉首相は「中国がなぜ靖国参拝にクレームをつけるのか、私にはわかりませんね」とも言っています。でも、中国側は「戦争被害者の遺族の立場に配慮してほしい」とはっきり言っているのです。東京裁判を全面的に否定する議論に完全に与するのなら別ですが、小泉首相は05年4月には、アジア・アフリカ首脳会議で、胡錦涛国家主席らを前にして「植民地支配と侵略によってアジア諸国の人々に損害と苦痛を与えた」ことをおわびする演説をしました。この会議を機会に実現した胡錦涛主席との会談でも、こうした歴史認識を伝えています。さらには国会答弁で「A級戦犯は戦争犯罪人だと認識している」と明言するなど、こと東京裁判を素直に受け入れることに関しては歴代総理のなかでも突出しているくらいです。そこまで言っているのなら、日本の遺族だけではなく、中国の戦争被害者の遺族にまで思いを致して発言する必要があるのではないでしょうか。そういう心配りがあるのとないのとでは、まったく違う結果を生むのです。

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